Yuichi Murata's Engineering Blog

グローバル・エンジニアリング・チームをつくる

2020年前半振り返り

気がつけば 2020 年前半も終了。ひとつ大きな区切りがついたので、この半年を振り返ってみようと思う。

よく出来たこと

今年に入って 2 つの大仕事をやりきれたと思っている。

1 つ目がインフラチームのマネジャーとしてチームを作りをしたこと。 今年の頭から、難しい状況にあるチームと一緒に走ることになった。前のマネジャーとは考え方も仕事の仕方も違う中で、新しいやり方をメンバーと共に模索する必要に迫られた。

インフラエンジニアというのは、エンジニアの中でも特に職人気質が強い。はっきり言って癖があるし、人とのぶつかり方は半端じゃない。でも、こだわりを持っているし良いものを作る。そんな彼らの思いを汲み、方向を示し、底力を活かし、時にぶつかり、時に助ける。チームのひとりひとりが本来の力を発揮できる流れをつくると、自然と良い成果をあげてくれる。

辛い半年だったが、とても良いチームを作れたと思っている。自画自賛で恐縮であるが、今では半年前に比べて見違えるような成果をあげるようになったと思っている。

2 つ目が入社して以来の大型マイルストーンを乗り切ったこと。いままでに自分の携わったプロジェクトをリリースした経験は何度かある。だた、そのなかでも一番大規模でインパクトの大きいリリースだった。

リリース前から準備に徹夜を重ね、リリース当日もその後もトラブル続きでひたすら全力疾走した。この歳になってまだこんな体力があるのかと自分に驚いた。たぶんアドレナリン全開で仕事をしていたからだと思う。全然眠気も感じなかったし、疲れも感じなかった。火事場の底力で昼も夜も関係なく働いた。そして、昨日ようやく仕事が落ち着いて気が抜けたら倒れた (笑

リリースにあたっていろんな人と仕事をする経験も得た。様々な開発チームの面々、協力会社の方々、プロジェクトマネージャー、業務担当者、運用担当などなど。いままで「開発者」としてヌクヌクと仕事をしていた自分にとっては、とても新鮮な経験だった。たくさんの迷惑もかけて、たくさん頭を下げる羽目にもなった。だが、おかげさまで良い勉強をさせてもらうことができた。

だめだったこと

自分ができないことも分かってきた。

絶望的に「運用」が弱い。システムや仕組みを「誰が」「どうやって」回すのかを考えて、必要な準備を事前に整えるということが全く出来ていない。おかげでたくさんの迷惑をかけた。たくさん助けてもらった。この経験は無駄にせず次に活かしたい。ありがたいことに、今の会社は運用が上手な人が結構いる。できないことは助けてもらいつつ、しっかりと学んでいきたい。

気づいたこと

どうやら自分は「問題を簡単にする」のが得意なようである。たぶん、とても頭が悪いからだと思う。簡単にしないと物事が分からないのである。 だが、これはとても良い強みになることに気がついた。

マネジャーになっていろんな立場の人にレポートをする機会が増えた。この時、簡単に言うとよく伝わる。たくさんの問題を解析して、いろいろな手を打って、パラメターをチューニングして、だけれども課題が残っているかもしれない。そんなときは色々話すよりも「暫定対応して部分的に改善した」と言えば良い。誰にでも伝わる。

現場のエンジニアと仕事をするときも役に立つ。エンジニアというのはあれもこれも気になる。これはシステムトラブルに対応しているときなどは厄介である。何から手を付けて分からない。結果手が止まったり、みんなで同じことして時間を無駄にしたりすることがある。「まずA君は止血を頼む。取り急ぎ増強で逃げて。B君は影響を纏めて業務担当にレポートして。これが終わってから原因分析して、次の一手を考えよう」。こういうバカっぽいシンプルな交通整理がトラブルのときには一番効く。

年末に向けて

年初に立てた「東京で最高のグローバルチームビルダーになる」という目標に向けて半年間走り続けた。いろいろな機会に恵まれて良いチームづくりに貢献はできたと思う。「グローバルチーム」という部分では少し弱かったと思う。むしろ少し後退したようにすら思う。残り半年はグローバルの部分ももう少し意識して頑張っていきたい。