自分が議論を投げかけたのに、チームが静まり返ってしまって気まずい思いをした事はないだろうか。アフターコロナの世界になってチーム・ビルディングの形も大きく変わってきている。特に、リモート・ミーティングで上のような局面に当たる機会が増えたのではないかと思う。
この記事では、エンジニアリング・チームのミーティングや日々のやり取りを盛り上げ、楽しく仕事をするにはどうしたら良いか語ってみたいと思う。
自転車置き場効果 - くだらない事は盛り上がる
自転車置き場効果という心理学の用語がある。正式にはパーキンソンの凡俗法則と呼ばれているものである。簡単に言うと、人間は「くだらない議論ほど盛り上がる」と言うものだ。
例えば、ある会議室で原子力発電所の建設費用の見積もりを議論したとしよう。殆どの参加者は黙ってしまう。だが、職場に自転車置き場を設置するべきかと議題を投げかけると、みんなが活発に発言をする。自分にとって身近な問題であるし、責任も伴わないからだ。
エンジニアには度々盛り上がるトピックというものがある。例えば、あなたの好きなテキスト・エディターは何ですか、あなたの好きな Linux ディストリビューションは何ですかと言った議論だ。これは、ほとんど趣味嗜好としか言えないような議論に陥るがとにかく盛り上がる。それは、トピックが「くだらない」からである。
チーム・ビルディング・イベントでくだらない議論をする
最近、あるチーム・ビルディング・イベントに参加したのだが、これがとても盛り上がった。この組織の四半期目標、経営理念、戦略といったトピックの代わりに全員参加のくだらない議論を行なったのである (無論まじめな話も別セッションで実施した)。
参加者はスライドの QR コードを読み取って投票に参加する。そしてその投票結果がリアルタイムにスライドに表示される。その質問の内容はというと、「もしオフィス移転をするならどこが良いと思いますか」「あなたが働いてみたい他の部署はどこですか」といった他愛もないものであった。エンジニア向けには「あなたの好きなプログラミング言語は何ですか」という質問がなされた。普段業務で使っていない言語がトップにあがり、これは大きく盛り上がった。
くだらない話でチームを盛り上げよう
リモートワークが主体となって以前よりもずっと雑談の機会が減ってしまったのではないかと思う。そんな時は「好きなプログラミング言語」の話をしてみよう。なんなら「嫌いなプログラミング言語」の悪口でも構わない。個人の趣味嗜好によって議論が白熱することだろう。そうした議論は普段の業務と直接関わらないから、意見が割れようと尾を引かない。
くだらない議論によってエンジンのかかったチームは、本題のビジネスにおいても闊達な議論をするようになるだろう。
英文記事: yuichi-murata.medium.com