自分の好きな言葉に「能力とは習慣の積分である」というものがあります。「エンジニアリング組織論への招待」に書かれた広木さんの一節です。プロフェッショナルとして尊敬する先輩や友人達をよく見ると、会議室でも PR ででも、まるで呼吸するかのように核心を突いた指摘をするものです。なるほど、これが習慣に裏打ちされた能力かと思ったのです。この言葉に共感してから、プロフェッショナルとして自分の習慣を磨くことに関しては、結構こだわりを持ってやっています。
習慣化の第一歩は記録からということで、自分の場合は「リズムケア」というアプリを使ってます。習慣化のアプリは色々試しましたが、これが一番シンプルで記録しやすい。
apps.apple.com朝/夜の習慣
こちらが自分の習慣化リストです。 仕事で成果を出す為に、集中力と体調をしっかり整える習慣を中心に記録を取ってます。
- 朝の瞑想: 流行りのマインドフルネス。前頭葉が活性化し、集中力、短期記憶能力、共感力の向上に役に立つということで習慣づけています。
- 朝の HIIT: 4 分でできるエクササイズ。以前 Medium の記事でも触れました。運動を習慣化すると脳由来神経栄養因子 (BDNF) が分泌され「脳が成長する」らしく習慣にしています。
- DNB: 脳トレ。短期記憶能力を鍛えられる。
- フロス: ちょこちょこサボりがちだったので、最近記録を取り始めた。
- 夜の一日振り返り: 夜寝る前に一日を振り返って記録をつける。
上のスクショを見て分かる通り、ちょっと前生活が荒れていまして少し習慣が途切れがちでした。直近になって習慣づけを強化していい感じになってきています。
実は結構挫折してました
このアプリを使い始めてからおおよそ半年が立ちます。この手の記録をとると長期的な「人生」のアップダウンが見れて面白いです。
比較的「朝の瞑想」習慣は安定していますが、それでも忙しいと乱れているのがわかります。「朝のHIIT」はもうすこし顕著に乱れています。去年の暮に新しい仕事に就いて、激アツの状況だったため、がっつりと習慣が崩れます。 もともと「脳トレ DNB」は朝の通勤時間帯、電車に乗ってから乗り換えるまでやると習慣づけていました。仕事がピークに達すると、通勤中も仕事の心配ごとなどをするようになります。すると、ぱったり習慣が途切れてしまいます。 以前は「夜の瞑想」もやっていたのですが、ある時を堺にぱったりと止めてしまいました。一時期、中国語話者の同僚が多かったときには中国語の勉強として HSK の試験勉強をたくさんやっていました。ですが、HSK3 級に合格したのと、仕事で絡むメンバーが変わったタイミングで、ここもぱったりと習慣が途切れています。
挫折は実は習慣を強化する
習慣は事あるごとに途切れます。ですが、そこを次の日でもよいので頑張ってリカバリーします。すると、挫折から立ち直った記録が残るのです。改めて「朝の瞑想」や「HIIT」を見てください。なんど途切れようとも復活する。そのしぶとさたるや何とも頼もしい。まさしく「習慣は滅びぬ。何度でも蘇るさ!」であります。
なにか習慣づけを行おうと思ったとき、「習慣がどこまで続いたか」にこだわっていると一回でも途切れたタイミングで萎えるものです。ですがコツコツと長期的な記録をとっていくと「習慣化に失敗しても必ず立ち直る」記録をを取ることができます。それは挫折と復活を繰り返せば繰り返すほど自信になって行くのです。
ちょっと見方を変えるだけで「挫折は実は習慣を強化する」のです。
エンジニアリング組織論への招待 ~不確実性に向き合う思考と組織のリファクタリング
- 作者:広木 大地
- 発売日: 2018/02/22
- メディア: 単行本(ソフトカバー)