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読書レビュー: プロパガンダ

年始読書レビュー第二弾。広告や政治に使われる宣伝や説得の手法について科学的に解説した本。

プロパガンダ:広告・政治宣伝のからくりを見抜く

プロパガンダ:広告・政治宣伝のからくりを見抜く

 

ざっくりまとめると

人間は認知的倹約家である。様々な説得・宣伝を話半分 (Pheripheral Route) で聞いており、多くのプロパガンダ手法の多くはそのスキをついてくる。メッセージの伝え方や、伝え手のイメージ、感情を利用して人々を有利な方向に説得する。

我々はそれらの手法を良く知り、不当な誘導を受けることを避けなければならない。また、人々を説得するにあたっては、倫理に基づいて有効な説得手法を使えると良い、という話でした。

感想

心理学的説得の技法をひとしきり学ぶことができました。まさに悪用厳禁という感じです。手法の中には過去の政治家が戦争を肯定するよう民衆誘導した手法や、ヒットラーやゲッペルズが利用した手法、カルト教祖が信者を洗脳した方法などが含まれています。具体的な例を通じてその手法や効果を知ることができます。

個人的に面白いと思ったのは「認知的不協和」の話。自分たち持っている自己イメージと現実に乖離を認識したとき、人はその乖離を是正するため態度や行動を変えるというもの。うまく利用すれば認知的不協和を用いて目標達成を支援したり、より良い組織文化作りに活かせそうだなぁと思いました。