Yuichi Murata's Engineering Blog

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免疫になるということ -- ネットワーク時代におけるマネージャーの役割の変化

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ピラミッドの時代からネットワークの時代へ

人類の長い歴史を通して、我々は組織をより大きくしたきた。我々は、組織を大きくするにつれて、より広い範囲のより複雑な問題を解決している。多くの組織は、多くの人々を連携しビジネスの目的を達成するためにピラミッド型の組織構成をあてがってきた。 今日では組織の形態は少し異なる形に進化を遂げている。よりネットワーク化している。そうインターネットのように。昔ながらの組織においても、純粋なピラミッド型はあまり見かけない。今日ではマトリクス型組織、ドットレポートライン(副指揮系統)、タスクフォース、プロジェクトチーム、はたまた労働組合と言った組織を見かける。複雑化する世界に適応するために、組織はネットワークへとその姿を進化させてきた。

自然とマネージャーの役割も変わりつつある。純粋なピラミッドの時代では、マネージャーはよき「ボス」であることが求められた。彼らはビジネスの目的や方向性をよく知っていた。部門の正しい目標を設定し、皆にそれを達成するよう支援をする。

ネットワーク時代のマネージャーの役割

ネットワーク時代のマネージャーの役割はどう変わるのだろうか。以前の役割はそのまま当てはまらない。ピラミッドのパラダイムは「トップダウン」だ。ネットワークにはトップもボトムもない。マネージャーは良きピラミッドビルダーではなく、ネットワークビルダーになる必要がある。

ネットワーク構造の弱みは「感染」である。ある細胞が感染したら、ネットワークを通じてどんどん広がってしまう。コンピュータウイルスがネットワークを通じて拡散する様を想像してほしい。ビジネス組織においては、人は様々な方法で感染してしまう。仕事の失敗で落ち込んでしまう者がいる。褒められない態度で嫌なムードを作ってしまうものがいる。組織の文化やゴールに合致しない考えを広げようとする者もいるかもしれない。これらの感染は誰かが適切に対処しなければネットワークを通じて広がってしまう。

マネージャーの役割は良き「免疫系」であることだ。彼らは健全なネットワークを維持するために対応する。マネージャーはこれらの感染症と戦うための様々な武器を持つ。マネージャーは人々をつなげて強固なネットワークを新たに作り上げる。マネージャーは評価を通じて組織の文化やゴールに向かう人々を抜擢し、一方でそれに矛盾しない多様性を認める。マネージャーは部下をケアしてやるきにさせる。免疫の存在こそが組織が生き残る鍵だ。

マネージャーとして良き免疫系になる

多くの組織は、ネットワーク型の組織への移行期にある。基本はピラミッドの形をしていて、ネットワークを味付けしていく。であるから、多くのマネージャーは未だに良きボスであろうと振る舞ってしまう。自分もよくそうしてしまう。 世界はネットワーク化している。マネージャーの本質的な役割もまさに変化しつつあるのかもしれない。マネージャーとして、我々は良きボスであろうとするよりも、よき免疫系になる必要がある。

原文:

yuichi-murata.medium.com