Yuichi Murata's Engineering Blog

グローバル・エンジニアリング・チームをつくる

読書レビュー: Cloud Strategy

Enterprise Integartion Pattern で知られる Gregor Hohpe 氏の最新著書 Cloud Strategy を読んだのでそのレビューを書いておく。クラウドの本質を紐解き、いままでの「エンタープライズ IT」と何が違うのかを経営的、組織設計的、かつ技術的観点から複合的に解き明かしている。

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クラウドは「調達」ではない

クラウドの本質的な違いとして最も象徴的なのが序章の『クラウドは調達ではない』である。

従来のエンタープライズ IT は、いわゆる「IT投資」という意思決定に基づいて調達し運用する。つまり最初にがばっと大きな額を投資して、それらを資産として計上し、毎年原価償却をしていく。その大前提に基づき IT 経営の仕組みがつくりこまれている。この仕組みをそのままにクラウドでインフラを構築しただけでは結局うまくいかないよという話である。

経営的/技術的複眼でクラウド戦略を捉える

こういう本質的な変化を non-tech な視点から捉えているのがとてもおもしろい。特に、経営的視点から IT 組織を監督する立場の人や、そうした立場を目指す人にとってとても興味深い話である。興味を持った人はぜひ読んでみて欲しい。