COVID-19 のパンデミック発生後、我々の生活は変わった。人々は自宅にとどまり、なるべく通勤を避けようとするようになった。これは我々の仕事の仕方も変えた。多くの企業がリモートワークを導入した。パンデミック以前から、リモートワークは IT 業界では特別なことではなかったが、多くのビジネスで主たる働き方ではなかった。今日、リモートワークは一般的になった。多くの企業がリモートワークを主たる働き方に採用した。IT 業界に留まらず、他の業界でも。リモートワークは従業員の健康面だけでなく、ビジネスの継続性の確保もできるからだ。
物語はソフトウェア産業でも用いられる。いちばん有名な物語は「情報は自由になりたがる」というものだ。このストーリーはフリーソフトウェアの文化を促した。この物語の力は、Linux OS や GNUコンパイラ、アパッチソフトウェアにたくさんの GPL/LGPL ライブラリと行った偉大な成果物を生み出している。ストーリーはコーポレート・ミッション・ステートメントにも用いられる。Google は「世界中の情報を整理する」という物語を通じて世界でトップクラスの才能をひきつけている。テスラは「持続可能なエネルギーに向けた世界の加速」という物語をもちいて同様のことを成し遂げようとしている。これらは「戦略的ナラティブ」として知られ、今日の組織に広く用いられている。
世界でも有名なリーダーたちは物語を語る能力を持ち世界を変えてきた。あなたは誰を思い浮かべるだろうか。マーティン・ルーサー・キング牧師だろうか。ウインストン・チャーチルだろうか。それとも IT 業界のレジェンド、スティーブ・ジョブズだろうか。エンジニアリング・マネージャーとしてあなたもチームを団結させるために物語を語る能力が必要だ。
Carl Dweck 博士は世の中には2つのマインドセットが存在することを発見した。硬直マインドセットと成長マインドセットだ。硬直マインドセットは、人々の能力は生まれつき定まっているもので抗うことができないというものだ。一方で成長マインドセットは、人の能力は自分の努力次第でどこまでも伸ばすことができるという考え方だ。
彼女の研究では、成長マインドセットを持つ子どもたちは喜んで難しいパズルにチャレンジした。彼らは難しいチャレンジに臆することはなかった。チャレンジこそ成長のための鍵だという認識を持っていた。一方で硬直マインドセットを持つ子どもたちは、難しいパズルへの挑戦を避けるような振る舞いを見せた。彼らにとって能力は生まれつきに依るもので、失敗をとても怖がっていた。なぜならば、そこで失敗すれば、それは人生を通して負け犬であることの証明になってしまうからだ。あなたの想像するとおり成長マインドセットを持つ人々のほうが、積極的に挑戦をし、失敗から学ぶため、成功する確率が高い。