Yuichi Murata's Engineering Blog

グローバル・エンジニアリング・チームをつくる

リモート・ファーストな今がグローバルなチームを作る格好のチャンス - Organization i18n

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仕事の変化

COVID-19 のパンデミック発生後、我々の生活は変わった。人々は自宅にとどまり、なるべく通勤を避けようとするようになった。これは我々の仕事の仕方も変えた。多くの企業がリモートワークを導入した。パンデミック以前から、リモートワークは IT 業界では特別なことではなかったが、多くのビジネスで主たる働き方ではなかった。今日、リモートワークは一般的になった。多くの企業がリモートワークを主たる働き方に採用した。IT 業界に留まらず、他の業界でも。リモートワークは従業員の健康面だけでなく、ビジネスの継続性の確保もできるからだ。

分散開発チームの課題

数年前、自分はあるプロジェクトを 2 つの拠点で連携して実行するプロジェクトに携わっていた。ちょうどその頃、新しい開発拠点を作っていたのだ。当時、新しい拠点のメンバーはかなり限られた人数にとどまっていた。それ故に、新しい拠点から参加する人数は少なくならざるを得なかった。 複数の拠点で同じレベルのコミュニケーションを担保することは難しかった。元々 1 つの拠点で開発が始まったために、我々の仕事の仕方はオンサイト・ファーストであった。メンバーはカジュアルに議論することが求められた。我々はチャットツールをヘビーに使っていたものの、込み入った議論になると直接話しかけた。これは全くもって問題ない。もしこれが一つのオフィスであるという前提があるのなら、むしろ推奨されるべきことである。しかしながら、新しいオフィスのメンバーに撮ってみると同じようなコミュニケーションをとることはできないので、このようなコミュニケーションのとり方は問題となりうる。もし片方のオフィスで議論が上がった場合、他方のオフィスのメンバーはその議論が発生したことにすら気づけないのだ。こうした状況は自然とオフィス間でギャップを生み出してしまう。 このギャップを埋めるため、頻繁なオンライン会議を設定した。しかし、このオンフライン会議でも依然ギャップが発生した。オンライン会議はそれぞれの拠点の会議室を予約して、ビデオで繋ぐ典型的なものだった。多くのケースでこれは機能した。しかし、あるちょっとした議論が沸き起こると、メンバーたちはそれぞれの拠点で隣通し話しかけるようになった。この議論はマイクには拾われなかった。こうした小さな議論は会議室間でギャップを生んだ。 定期的な出張を試みたりもした。新しいオフィスのメンバーが初期オフィスの方に来て (あるいは逆のケースで) 暫くの間、オンサイトで働くのだ。これは初期の関係値を作るに当たって役に立った。しかし、ギャップを埋めるには完璧ではなかった。

なぜリモート・ファーストが理想的なのか?

リモート・ファーストの仕事環境は特に複数の拠点をまたぐグローバルチームを作るには最高の機会だ。 リモート・ファーストの仕事環境に移行するとともに、上に挙げた問題はすべてなくなった。メンバーはチャットツールを使ってカジュアルな議論を始めることを、いわば強制される。これはどの拠点のメンバーに対しても平等である。コミュニケーションは誰に対しても見える。より集中して議論が必要な場合は、オンライン会議が始まる。会議室の予約は必要ない。ボタンをクリックしてミーティング URL を発行するだけだ!興味のあるメンバーは自由に参加できる。

もう一つの予期せぬ副作用は、英語が得意でないメンバーのコミュニケーション促進だ。我々のコミュニケーションの主たるチャンネルは対面の会話からチャットツールに移った。これは、英語が得でないメンバーの敷居を下げた。エンジニアの中には英語を読み書きするのは得意だが、議論するのは得意でないひとがいる。チャットツールはこうした人々に自分の意見を表明する手助けをしてくれる。

この機会を活用しよう

最近、同僚と現在の状況下で如何にグローバルチームを作っていくか議論する機会があった。彼は、チームの立ち上げに当たって出張し対面する機会がないから関係値を作るのが難しいと悲観がちであった。しかし自分は上に上げたとおり別の意見を出した。我々は物理的に合うことができないからこそ、複数拠点をつないだグローバルチームを作るには絶好の機会なのだと。現在進んでいるリモート・ファーストの仕事の仕方を最大限活用し、強いグローバルチームを作ろう。

原文:

yuichi-murata.medium.com