Yuichi Murata's Engineering Blog

グローバル・エンジニアリング・チームをつくる

グローバル開発チームを一年強率いた話

気がつけば現職に移って早2年が経つ。色々あったが、何と言ってもグローバルの開発チームを作り上げた経験はとても貴重なものだったと思う。なので、ここでアウトプットしておこうと思う。

 

グローバル開発チーム

ちょうど一年半ほど前から、社内であるプロジェクトを立ち上げた。当初は小さなチームだったが、今では社員、パートナーさんを含むと小学校のクラスぐらいのエンジニアを抱えるそれなりの大所帯になっている。出身地も多様で、インド、中国、韓国、シンガポールなど。日本出身は自分ひとり。主要言語は英語だが、ミーティングによっては日本語になったり、中国語になったりする。カオスな感じで面白い。

最初はリードエンジニアとして、開発をリードしていた。その後オフィシャルなマネジャーのロールにつき、ヒューマンマネジメントをメインにしている。

面白くもあり大変でもあり

グローバルチームはとても面白くて、とても大変である。

まず面白い点。カオス感。これに尽きる。出身地も違えば言語、文化も違う。それぞれの文化で美学とされているものも違えば、エンジニア特有の個性で国民性関係なしに尖っていたりする。色々な考え方や感じ方を知る機会が日常に溢れている。それぞれの国で流行ってる話や技術トレンドなんかを知ることができるのも面白い。アメリカやヨーロッパの情報は自然とインターネット経由で入ってくるが、アジア圏各国で流行っているサービスや技術動向の情報はまだまだ少ないので、個人的に大変良い学びになっていると思う。

一方でやはり、日本人だけでチームを組んだときに比べて個性の振れ幅がでかい。どうチームとして纏めるかはとても難しい課題である。油断すると、「それぞれ好き勝手やる」集団が出来上がってしまう。実際それが原因で形にならなかったり、燃えたりしたプロジェクトもある。

結局大切なのは「対話」

自分の結論として、グローバルチームを纏めるのに大切なのは対話である。これに尽きる。カオス感が満載で、振れ幅が大きいからこそ、対話が持つ意味は日本人だけで組んだ時より重要になってくると思う。

自分の場合、「ビジネスと共に走ること、ビジネスやお客様にバリューを提供すること」を繰り返しチームに説いてきた。初めは仕事のワークフローや技術選定、アーキテクチャでそれぞればらばらに主張していたメンバーも、1つの価値観を中心に纏りがでてくる。纏りが出来上がると、それぞれのやり方や主張が強みとなって同じ方向に加速していく。

ちょくちょく意見が合わなかったり、メンバーとステークホルダーがぶつかったりする時もある。そういうときに1on1でじっくり話をしてみると、殆どの問題は、言葉足らずや思い込みから来る、ちょっとしたボタンの掛け違いであることが分かったりする。そういう問題を解決するにも、とにかく対話である。

まだまだ新米マネジャーとして課題も多いが、引き続きこのカオスでやりがいのあるチーム作りの仕事を頑張って行こうと思う。