Yuichi Murata's Engineering Blog

グローバル・エンジニアリング・チームをつくる

言語の壁を突破する!ライブ議事録コミュニケーション - Organization i18n

f:id:yuichi1004:20210220154448p:plain

コミュニケーションの手段はたくさんある

我々人類は様々なコミュニケーション手段を持っている。我々は話したり効くことができる。読んで書くことができる。感情を雰囲気で伝えることができる。これらの「マルチモーダル」なコミュニケーションのとり方は極めて効果的である。特に普段異なる言語を用いる人と話すときには。マルチモーダルコミュニケーションは、チームの共通言語を得意としていない場合 (我々日本人の場合英語でしゃべるのが苦手な場合) にもメッセージを伝えることを助けてくれる。

リモートネイティブの到来に伴い、コミュニケーションの手段が増えた。この記事ではその一つとしてライブ議事録コミュニケーションというものを紹介したい。

ライブ議事録コミュニケーション

ライブ議事録コミュニケーションは普段はことなる言語を使う人と話すときに効果的だ。ミーティングに先立って、議題を入念に準備しておき事前に参加者に周知しておく。参加者は事前に議論の準備ができる (知らない単語を調べておくことも含めて)。これらには Google Docs や Confluence などのライブドキュメンテーションツールを使うのがおすすめだ。会議が始まった後でも誰でもコンテンツを追加できる。このライブ議事録によって参加者は議論の行く末を見失わずに済むし、語学に達者である必要もなくなる。

議事録の存在はチームに声を上げる勇気を与える。何しろ必要なキーワードが全てスクリーンに並んでいるのである。これがあれば声を上げるのはずっと簡単になる。また、他の人の話す議論をリスニングする難易度も下がる。自動車が一番エネルギーを消費するのは発進するときだ。一度加速してしまえばそれほどのエネルギーは必要なくなる。同様に、議事録の助けを経てしゃべり始めてしまえば、意外と話が続くものである。

ライブ議事録は共有クリップボードとしても機能する。そこにはリンクでも写真でも、格言でも、現地の言葉でも貼り付けることができる。これは自分の昔の one-on-one ミーティングに使ったライブ議事録だ。当時中国出身のメンバーとチームの文化を変える方法について議論していた。自分が人海戦術について話をしているとき、英語で Human Wave Attack といっても全く伝わらなかった。そこで Google Translate で中国語にして貼り付けたところ、彼は一発で自分の意図を理解してくれた。

f:id:yuichi1004:20210220154509p:plain

議事録を使ってコミュニケーションをするのって無駄じゃない?

もし全てのトピックをテキストに落とさないといけないのだとしたら、本当にミーティングをする必要あるのだろうか。これは良い質問だと思う。Slack とか Mail で済ませてしまえばいいだろうと、あなたは考えるかもしれない。しかし、自分の答えは「必要」である。もしその会議の参加者があなたが一緒に仕事をする主たるチームメンバーであるなら。

これはチームにとって加速のプロセスである。ミーティングをすること自体が彼らにとって学びの良い機会となる。チームはいずれ議事録のサポートが最小限でも自然にはなせるようになるだろう。また、たとえ加速中であってもミーティングをすること自体がチームワークを助ける。「単純接触効果」というキーワードを聞いたことがあるだろうか。普段から顔を合わせているメンバーには自然と助けて上げたくなるものである。

このようなアプローチをうまく活用して、ゆくゆくはチームの共通言語で自然に仕事ができる、そういうチームを作ろう。